【企業】かつて世界PC受託製造のトップだった大衆控FICG、AIブームに乗って光モジュール大手へ転身(4/30)
- Guest
- 5月4日
- 読了時間: 3分
Digitimes(4/30)によると;
かつて台湾第2位のPCブランドだった大衆電脳FICGは、産業の移行と市場変化を経て、現在では世界トップ3の光通信用モジュールメーカーへと転身を遂げた。董事長の簡民智氏はDIGITIMESのインタビューで、今後3年間はマレーシアでの新工場建設と生産能力の拡大に集中し、AI分野の急成長市場を狙って光通信用製品の生産能力を倍増させると述べた。顧客からの注文状況から見て、AI需要は「非常に狂っている」とまで表現している。
大衆は2008年から光通信分野に進出し、高単価かつ高い良率が求められるこの分野において、特にベアチップを直接PCBA上に実装する技術で優位性を確保している。現在、この技術を有するのは世界で3社のみで、大衆控、中国の富創優越Fastrain、マレーシアのNationgateである。大衆はフリップチップ技術を用い、電子部品の高密度配置と99.9997%という高い実装良率を実現しており、これが競争力の鍵となっている。
地政学的リスクの高まりを受けて、顧客から中国以外の供給体制構築を求められ、大衆は迅速に対応しマレーシアでの新工場建設に踏み切った。第1工場は2025年末に完成予定で、6本の生産ラインを稼働させる計画で、現行の生産能力を倍増させる。第2工場は2027年第1四半期に稼働予定で、さらにもう一度倍増する見通しである。
市場の過熱や反動を懸念する声に対して、簡氏は「現在の受注状況を見る限り、その心配はない」と断言。一時はトランプ前大統領の政策で顧客の注文が停滞したが、すぐに回復し、今では注文が止まらないという。
AI市場はまだ成長の入り口であり、今後3年間、大手クラウドサービス事業者(CSP)の投資は止まらないと見られている。投資を止めれば競合に追い抜かれるためだ。米国が投資を継続するなら、中国も黙ってはいない。AIの収益モデルはまだ発展途上だが、将来的にはロボットや自動運転などの応用が拡がり、ビジネスモデルも確立されていく。CSPのみならず、一般企業にもAIは不可欠な存在になっていくだろう。
とはいえ簡氏は、マレーシアでの拡張は慎重に進めるとも強調している。第2工場稼働後は市場動向を見ながら柔軟に対応し、サーバー用マザーボードなど他製品の生産にも活用する方針だ。
さらに、NVIDIAがGTCで発表したCPO(共封光学)技術が、現行のプラガブル型光モジュールの脅威になるのではという懸念に対して、簡氏は「10年は影響ない」と笑って答える。CPOはまだ初期段階で普及には時間がかかる上、NVIDIAでさえ規格の統一には至っていない。プラガブル型は生産が成熟しており、保守も容易であるため、将来的にCPOが伸びても3割程度にとどまり、7割は引き続きプラガブル型が主流となるだろうと述べている。
Comments