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1109 脱中国の先に見える現実 ― 東南アジアで試される台湾企業

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  • 2025年11月9日
  • 読了時間: 2分

台湾の繊維大手トンテックス(東豐纖維)は、インドネシア・ペマラン郊外に約6000万ドルを投じ、統合生産拠点を建設中である。2020年の中国撤退以来最大の投資で、完成後は生産の6割を担う見通しだ。背景には、蔡英文政権が2016年に打ち出した「新南向政策」による支援がある。この政策は中国依存から脱却し、東南アジア・南アジアとの経済連携を強化するもので、2023年には台湾のASEAN向け投資額が初めて対中国を上回った

しかし移転先の環境は厳しい。米中対立や関税政策の影響に加え、中国政府がASEAN諸国に自国企業優遇を迫る動きも強まる。台湾コンサル会社CRIFによれば、ASEANに進出した台湾企業の66%が30%以上の関税に直面し、23年以降設立の4分の1が未だ赤字だという。頼清徳政権は価値観を共有する民主主義国との連携を重視するが、ASEAN諸国の多くは「一帯一路」の影響下にあり、中国寄りの姿勢が続く

その中で唯一明るい兆しを見せるのがフィリピンである。台湾企業の新規プロジェクトが増加し、ITや電子機器分野で雇用を拡大している。地政学的緊張が高まる中、台湾とフィリピンの関係は安全保障面でも強化されつつある。脱中国を進める台湾企業は今、政治と経済のはざまで新たな試練に直面している。


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