1216 国際銅価格の歴史的高騰が重電・変圧器関連企業を押し上げ― 華城・中興電に追い風 ―
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- 5 日前
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国際銅価格は、供給制約と需要拡大による需給不均衡を背景に、年初来大幅な上昇を続けており、相次いで史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)の公表データによれば、先週には一時1トン当たり1.19万米ドルに達した。さらに、米金融大手の花旗証券は、銅価格が2026年第2四半期に1トン当たり1.5万米ドルへ上昇する可能性があるとの見通しを示している。
銅価格の上昇を受け、銅を主要材料とする産業分野への市場関心が高まっている。なかでも重電設備分野では、変圧器が銅製の巻線(コイル)を中核部材として構成していることから、銅価格の上昇が製品価値の上昇に直結しやすく、関連企業にとっては事業環境の改善要因となっている。
華城(1519)は、銅価格上昇による変圧器および重電製品の付加価値向上に加え、台湾の強靭電網計画や米国の「星際之門」計画といった大規模インフラ投資の恩恵を受けている。加えて、足元では生産能力がフル稼働しており、新規設備の増設も進行中であることから、これらが2026年の収益成長を牽引する重要な要因になると法人は分析している。
中興電(1513)についても、国内外における電力設備需要の拡大に加え、データセンター建設に伴う発電機および空調関連需要の増加が見込まれている。さらに、氫燃料電池関連事業の進展、増産効果の顕在化、台積電(2330)の米国第2工場建設に関連する受注獲得などを背景に、法人は来期の業績見通しを前向きに評価している。
AI推定
銅価格の高止まりが継続した場合、重電・変圧器メーカーは販売価格への転嫁を通じて売上規模を拡大できる可能性がある。一方で、原材料調達力や契約条件の違いにより収益性の差が拡大することも想定される。特に、データセンターおよび電力インフラ投資の持続性が、華城および中興電の中長期的な成長を左右する重要な変数になると推察される。

