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台湾版主権基金1/トランプ関税戦争が思わぬ奇跡を生む──台湾の主権基金が米国投資へ向かうのか?(6/2)

  • Guest
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

概訳LEAD


台湾が主権基金を設立すべきか否かという議論は、国内で20年以上も続いてきたが、これまで明確な進展はなかった。しかし、今回は異なる。頼清徳総統が5月20日の就任周年演説において、ついにその口から構想を明言し、その直後には政策実行の加速列車に乗り、速やかに国家発展委員会の前段階作業に入ったのである。長年、実現の見込みが薄い「空中楼閣」のように思われていた構想が、ついに「階段の音が鳴る」段階──すなわち実現へ向けた具体的な兆しを見せ始めた。今回こそ、台湾が本当に主権基金を設立する可能性があるのか。この莫大な資金は、果たしてどこへ向かうのか。


台湾版主権基金──米国のハイテク業界と連動か


実際のところ、この動きには確かな背景がある。それはドナルド・トランプ元大統領にまで遡る必要がある。今年初頭、トランプは満を持してホワイトハウスに復帰し、4月初めには「対等関税」政策を掲げて世界に衝撃を与えた。「台米の友誼は永久に固い」と自認してきた台湾に対しても、突然32%もの高関税が課され、政界・民間ともに大きな衝撃を受けたのである。その後、トランプは90日間の猶予期間を設けたものの、交渉の場では台湾は常に米国側からこれまでにない強い圧力を受け続けている。


一方、民間では、TSMC(台湾積体電路製造)が米国に巨額の投資を行ったことで、「シリコン・シールドの消失」といった懸念の声が絶えず上がっている。台湾の地政学的価値が低下しているのではないかという不安が、広がりつつあるのである。


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