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0805 データセンター用サーバー冷却液「DAISAVE」シリーズの開発

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  • 2025年8月10日
  • 読了時間: 4分

午坊健司、白井淳、卯田祥子、井上茉優、井岡和恵、黒木克親(ダイキン工業株式会社)

楊晉瑋、黃祈翰、竹中典弘、洪志宗(台湾大金先端化学股份有限公司)


ダイキンは、従来のフッ素系溶剤に比べて地球温暖化係数(GWP)が低いデータセンター用サーバー冷却液「DAISAVE」シリーズを開発した。「DAISAVE SS-110」は、従来のフッ素系溶剤と同等の熱伝達特性を有し、沸点110℃の不燃性・低粘度液体であり、単相浸漬冷却液として使用可能である。また「DAISAVE SS-49(TSS-7)」は、沸点49℃の不燃性・低粘度液体であり、相変化時の潜熱を利用して二相浸漬冷却液として使用することができる。


【本文抜粋】

液冷ソリューション

各種開発されたシステムの中で、徐々に主流となっている冷却方式が「液冷」であり、その主要な4種類を図1に示す。


圖一、Data Center伺服器業界目前市場主流之冷卻方式
圖一、Data Center伺服器業界目前市場主流之冷卻方式

単相DLC(Direct Liquid Cooling)は、水や不凍液などの液体を用いて熱交換ユニットを通過させ、冷却を行う方式である。二相DLCは、低沸点のフッ素系液体を冷却液として使用し、熱交換ユニット内部での相変化によって熱交換を行う方式である。いずれの方式も、サーバー内部の発熱箇所に熱交換ユニットであるコールドプレートを配置し、CDU(Coolant Distribution Unit)を介して冷却液を供給する。コールドプレート内で温度上昇した冷却液は、チラーによって冷却され、循環する冷却ソリューションである。


浸漬冷却に適した冷却液の開発


「DAISAVE SS-110」は沸点110℃の絶縁液体であり、単相浸漬冷却液として使用可能である。また、現在開発中の「DAISAVE SS-49」は沸点49℃の絶縁液体であり、二相浸漬冷却液としての利用を想定している。両冷却液は水および合成油よりも低粘度で流動性に優れ、冷却性能向上に寄与する。さらに、比誘電率および誘電正接(損失係数)が低く、電子部品の冷却に適している。


  1. 冷却液の材料適合性


データセンター用サーバーには多様な部品が搭載され、各種材料が使用されている。浸漬冷却システムでは、これらの材料が冷却液と直接接触するため、材料と冷却液との適合性に関する評価データは極めて重要である。「DAISAVE」シリーズ冷却液と各種材料の適合性試験結果を表2に示す。試験方法および条件は以下のとおりである。

① 各種材料の試験片をダイキン「DAISAVE」冷却液に7日間浸漬する。樹脂およびゴムは室温で試験を行い、金属はSS-110の場合90℃、SS-49の場合40℃で実施する。

② 試験片を取り出し、表面の冷却液を軽く拭き取り、重量および体積を測定し、試験前の値と比較する。

③ 試験前に比べ、体積および重量の変化率が1%未満の場合はA、1%以上5%未満はB、5%以上はCと評価する。


試験結果から、DAISAVE SS-110およびSS-49はいずれも各種樹脂、ゴム、金属材料に対して良好な適合性を示すことが確認された。ただし、実際の使用においては材料の形状、加工方法、要求特性など多くの要因が関与するため、使用前に適切な適合性試験を実施することが望ましい。


  1. 冷却液の長期熱安定性試験


① 冷却液をSUS製容器に密封し、SS-110の場合は100℃、SS-49の場合は80℃で加熱する。

② 一定時間ごとに容器内の冷却液を採取し、冷却液の分解により生成されるフッ素イオン濃度を測定する。試験の結果、SS-110およびSS-49いずれからもフッ素イオンはほとんど検出されず、熱分解が極めて少ないことが確認された。


一般的に、低GWP物質は大気中で分解されやすい特性を有し、高温環境下では分解に伴うフッ素イオン濃度が上昇する傾向にある。しかし、SS-110およびSS-49はフッ素化合物でありながら低GWPを実現し、かつ優れた熱安定性を示すことが明らかとなった。


3. 沸騰伝熱係数試験


冷却効率が最も高い二相浸漬冷却方式は、発熱部と接触した冷却液が沸騰し、その蒸発潜熱によって冷却を行う方式である。冷却性能を評価するため、沸騰伝熱率の試験を実施した。沸騰伝熱率の試験結果を図2に示す。


圖二、沸騰傳熱率的測試結果
圖二、沸騰傳熱率的測試結果

図2の結果から、DAISAVE SS-49は沸騰冷却に使用されるフルオロケトン(Fluoro Ketone)と同等の伝熱係数を有することが確認された。また、限界熱流束(CHF)もフルオロケトンと同等であることが明らかとなった。これらの結果は、DAISAVE SS-49が沸騰冷却用途において十分な性能を有していることを示している。


---以上は抜粋資料であり、詳細については下記添付資料を参照されたい。




参考: DAISAVE


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