0807 RISC-Vの進化と適用範囲の拡大──オープンアーキテクチャが切り拓く次世代チップ設計の潮流
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- 8月8日
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米国の調査会社VDC Researchは、本年4月に発行した報告書『Embedded Processor Architectures(組込みプロセッサアーキテクチャ)』において、「RISC-Vの成果は既に組込み計算領域を超えており、ストレージ技術や高性能コンピューティング(HPC)にも拡張されており、このアーキテクチャがより広範な用途に適用される傾向を示している」と記している。この見解は、2025年に開催されたRISC-Vヨーロッパサミットおよび中国サミットにおいて、RISC-V InternationalのCEOであるAndrea Gallo氏によっても引用された。
このようなRISC-Vの発展は、近年の半導体業界における「アプリケーション主導型」設計という時代の潮流と密接に関係している。RISC-Vはオープンかつカスタマイズ可能で、拡張性に優れたアーキテクチャであるがゆえに、用途に応じた最適な設計が可能であり、多様なアプリケーションへの柔軟な適応を実現している。
加えて、オープンソースであることは、グローバルな技術コミュニティによる協業を可能とし、各分野の専門技術を融合したエコシステムの構築を促進する。このような開放的な開発体制が、既存の市場支配者に対抗する競争力をRISC-Vにもたらしているのである。

