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0902 データセンター電源アーキテクチャが転換期に Delta・LiteonがHVDCで主導権争い 来年本格化へ

  • Guest
  • 9月2日
  • 読了時間: 3分

AI運算需要がキロワット級(kW)からメガワット級(MW)へと飛躍的に拡大する中、データセンターは電源アーキテクチャの重要な転換点を迎えている。NVIDIAの次世代GPU「Vera Rubin」シリーズは高圧直流(HVDC)の導入を開始する予定であり、台湾の電源大手である台達電DeltaLiteon(光寶科技)はいずれも今年、完全なソリューションを披露する。最速で2026年にも実用化が見込まれ、製品バリューチェーンを押し上げる新たな成長ドライバーとなる見通しである。


外資系証券の調査によれば、NVIDIA Rubin GPUの消費電力は、B300チップの1.4kWから2.3kWへと上昇し、市場予測の1.8kWを大きく上回る。さらに、VR200ラックの電源供給ユニット(PSU)は18kW構成となり、単価は最大10.4万米ドルに達する可能性が指摘されている。


サーバー1ラック当たりの消費電力が急増する中、従来の54V電源方式は限界に直面している。現在、市場では二大電源路線が浮上しており、一つはNVIDIA主導の800V HVDCアーキテクチャ、もう一つはGoogleおよびOpen Compute Projectが推進する±400V DCシステムである。前者はエネルギー効率と電流負荷に強みを持ち、後者はEV(電気自動車)エコシステムをデータセンターへ拡張する形である。業界関係者は、800Vが標準規格となるかは依然不透明としつつも、将来的には「二軌並行」で異なる運算プラットフォームや応用場面に対応する可能性が高いと分析している。


デルタ電子は「電網からチップへ(從電網到晶片)」をコンセプトに、マイクログリッド、電源キャビネット、バスバー、DC-DCモジュール、熱管理を包括するソリューションを提案。800V HVDC構造はチップ端の0.65Vまで降圧可能で、ステップ数削減により92%超の効率を実現できるとしている。同社はまた、炭化ケイ素(SiC)技術や高出力冷却材料を組み合わせた電源モジュールを投入し、NVIDIAの初期サプライヤーを狙う。


さらにデルタ電子は、燃料電池、固体変圧器、蓄電システムなどデータセンター基盤インフラにも注力しているほか、コンテナ型AIデータセンターを開発し、電力から冷却まで一気通貫での提供を目指す。冷却分野では液冷―空冷変換方式のSidecarで市場シェア過半を握っており、今年は売上比率が6~7%に上昇する見通しである。


光寶科技もNVIDIAと協業し、800V HVDC電源設計を進めている。同時に米系クラウドサービスプロバイダー向けにASICおよびGPUサーバー向けの電源モジュールやBBU(バッテリーバックアップユニット)を供給しており、すでに顧客テスト段階に入った。新ラックの導入と並行して展開が加速する見込みである。特にBBUは次期成長エンジンとされ、今年は売上比率が5%以上拡大する見通し。加えて、液冷事業にも注力しており、Sidecarやin-row CDU製品は国際大手からの認証を取得し、下半期から出荷を開始する計画である。



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