0905 『工業材料』9月号では、「化合物半導体結晶技術と応用」および「高速充電リチウム電池技術」を特集。併せて「太陽光発電技術」に関する特別報告を掲載
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ワイドバンドギャップ新勢力:粉末からパッケージングまでのバリューチェーン進化
世界のハイテク産業は急速に発展しており、半導体材料は性能の限界と応用需要という二重の課題に直面している。第三世代ワイドバンドギャップ化合物半導体材料(SiC、GaN、AlN、Ga₂O₃)は、高熱伝導率・高絶縁破壊電界・高電子移動度・高耐熱性といった優れた特性を備え、新エネルギー車、5G/6G通信、産業用電源、再生可能エネルギーなどの重要分野を支える中核技術となっている。
中でも炭化ケイ素(SiC)の市場需要は拡大を続けており、高純度・低欠陥かつ物性が安定した粉末開発が世界的な研究の焦点となっている。また、化合物半導体の結晶成長技術は、バルク成長・薄膜エピタキシャル成長を問わず、化学量論、温度場、冷却速度を精密に制御することが不可欠であり、結晶完全性の向上と欠陥抑制が求められている。これに伴い、成分分析・構造解析・欠陥検出・信頼性評価を含む検査技術の重要性が一層高まっており、大口径・低欠陥結晶の量産を支えるため、各国で高感度な評価技術の開発が加速している。
さらに、化合物半導体デバイスの性能は材料特性に加えてパッケージング技術にも大きく左右される。熱マネジメントが不十分であれば性能劣化や故障を招くため、良好な流動性と熱伝導性を有する液状パッケージ材料は、化合物半導体パワーモジュールにおいて優位性を発揮し、信頼性の向上と高効率放熱の要求に応えている。基板技術の面では、絶縁金属基板(IMS)が高熱伝導性、絶縁性、コスト競争力を兼備し、国内外の産業界に競争力ある材料ソリューションを提供している。
本号の「化合物半導体結晶技術と応用」特集では、高純度原料の製造、結晶成長、高精細評価技術、高信頼パッケージング、高効率放熱基板を含む産業チェーン全体を取り上げる。高周波・高出力・高温対応デバイスに対する市場需要が拡大するなか、化合物半導体産業は技術の深度と広度をさらに拡張し、新エネルギー、通信、産業制御、防衛・航空宇宙といった分野において、ますます強い影響力を発揮していくであろう。
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