0907 輝達Nvidiaに動き SiCインターポーザーは先進封装の新たな焦点となる
- Guest
- 9月23日
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輝達NvidiaがGPU性能の急速な向上を志向する中で、チップ内部において記憶体とGPUを接続する中介層Interposarの材料が、従来のシリコンからSiCへと移行する見通しとなり、これは台湾SiC産業に新たな機会をもたらすものである。
ここ数か月、台湾半導体業界におけるSiC関連の動きが急速に活発化しており、その背景には輝達の存在がある。今年5月、世界SiC大手のWolfspeedが破産を発表した一方で、同月に環球晶GlobalWafers董事長・徐秀蘭氏は、同社が顧客と共同でSiC新製品を開発する計画を明らかにした。さらに、格棋化合物半導体公司Gechiの董事長・張忠傑氏も、同社が先端半導体プロセス向けの新製品開発を積極的に進めていることを示した。
『財訊』の取材によれば、中国の大規模増産により世界のSiC供給網が低迷する中、台湾のSiC産業は輝達によるGPU性能向上需要によって新たな機会を得た。具体的には、輝達の次世代「Rubin」プロセッサ開発計画において、性能強化のために中介層の材料をシリコンからSiCへ転換する構想が盛り込まれている。
仮にCoWoS封装によるICを大楼に例えるならば、GPUは大楼内の工場に相当し、中介層は大楼の床板に相当する。床板はGPUを支えるのみならず、高性能記憶体を連結し、GPUと記憶体間の高速データ移動を可能とする。現状では、1枚のシリコン中介層上に1個のGPUと複数の記憶体が配置されている。この大楼の基盤は既存の基板であり、1枚の基板上に複数の大楼を配置し、基板を通じて信号交換を行った後に1個のチップとして封装される。
張忠傑氏は、先端プロセス研究において、従来シリコンで製造していた中介層をSiCに置き換える検討が進んでいることを明らかにした。その背景として、将来の高性能チップ計画では消費電圧が1000ボルトに達する見込みがあり、これはテスラの急速充電時の電圧(350ボルト)を大きく上回る数値である。
業界関係者の観測によれば、最も積極的にこの技術採用を目指しているのは輝達である。同社のNVLink技術は、GPUと記憶体が近接するほど伝送速度とGPU出力が向上し、結果として性能が最大化される特性を持つ。さらに輝達は、GPUと記憶体を積層し、大電流で駆動する計画も有している。この際、SiCは銅を上回る熱伝導率を有するため、大電流による発熱を効果的に緩和できる点が評価されている。
しかしながら、中介層として用いるSiCは従来の用途とは要求仕様が異なる。『財訊』の報道によれば、ウェハー製造工程ではSiCを中介層材料として利用するため、従来のSiC産業で重視される結晶欠陥はそれほど問題とならない。一方で重要なのは切断技術であり、SiCはダイヤモンドに匹敵する硬度を持つため、切断技術が不十分であれば表面に波状の欠陥が生じ、先端封装には使用できないとされる。

