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0924 AIがデータセンターアーキテクチャを転換 CPOに追い風

  • Guest
  • 9月25日
  • 読了時間: 3分

人工知能(AI)世代の到来に伴い、xPUおよび加速器に対する演算能力の需要が急速に高まり、その負荷は大幅に増大している。その結果、データセンターネットワークのアーキテクチャは「水平拡張(scale-out)」から「垂直拡張(scale-up)」へと移行しつつある。これにより、単一サーバー内でリソースを拡張する、あるいはラックを超えて複数の演算リソースを統合し一体化システムを構築する動きが進んでいる。この転換期において、サーバー内部の処理チップ、すなわちxPUや加速器、さらにラック間の「インターコネクト」ネットワークが重要な役割を担うことになる。


現時点で、データセンターのscale-upアーキテクチャ向けインターコネクト技術は、NVIDIAが主導するNVLink、Broadcomが推進するEthernetベースのSUE、PCIe業界標準、そしてAMDが推進するUALink技術などが競合している。それぞれの技術に独自の強みがあり、各陣営は市場シェア拡大を目指して熾烈な競争を展開している。さらに、AI向けxPUおよび加速器クラスタの発展は、Scale-UpおよびScale-Out双方の通信チップやスイッチASICの需要を押し上げており、スイッチの伝送速度も25.6Tから51.2T、さらには100T超の設計へと進化しつつある。これに伴い、光通信ソリューションの重要性が一層高まっている。


Broadcom光学システム部門のマーケティング兼オペレーション副社長Manish Mehta氏は、AIアプリケーションの急速な発展により、scale-out、scale-upいずれのアーキテクチャも膨大なデータ伝送に対応するため、より高い帯域幅が求められていると指摘した。そのためにはSerDesの帯域幅拡大が必須であるが、同時にエネルギー効率、コスト、伝送の安定性も考慮する必要があると述べた。従来型データセンターは「プラッガブル光トランシーバー(Pluggable Transceivers)」に依存して光電変換を行ってきたが、スイッチ帯域幅の増大に伴い、高消費電力・高コスト・大型化といった課題が顕在化し、Scale-outアーキテクチャの制約要因となっている。その結果、業界はScale-up構造への移行を模索しており、こうしたニーズと課題に応える手段として光通信技術が注目されている。特にOn-Board Optics(OBO)、Near-Packaged Optics(NPO)、および共同封止光学(CPO)などのソリューション開発が市場で注目を集めている。Counterpointの調査によれば、2033年までにこれらの組込み光学技術の出荷量は年平均成長率(CAGR)50%で拡大すると予測されている。


その中でも、CPOは光通信とパッケージング技術を兼ね備えることから、最適な解決策と見なされており、技術開発は急速に進展している。Mehta氏は、BroadcomはAI技術・アプリケーションの普及以降、AI時代がもたらすサーバーおよびデータセンターの課題と進化に対応すべく、一連の投資と研究開発を展開してきたと説明した。特にscale-outおよびscale-upの要件に応えるとともに、CPOの将来性を見据え、同社はEthernetおよびCPO関連の光通信製品を相次ぎ投入している。


現在、BroadcomのCPO製品は第2世代(51.2T)に到達し、scale-upアーキテクチャに活用可能である。さらに、チャネル当たり200Gをサポートする第3世代CPO製品も発表済みである。第1世代(25.6T対応)はTencentと共同開発し、既に量産段階に入っている。第2世代製品もすでに量産出荷が進んでおり、128個の400Gモジュールを代替することでコスト削減に寄与している。さらに、Broadcomは光ファイバーやスロットなどの優れたエコシステムパートナーを擁し、顧客ニーズを深く理解している点も強みであり、CPO市場における確固たる地位を築きつつある。


注目すべきは、Broadcomの第4世代CPO製品が2028年に登場予定であり、チャネル当たり400Gに達し、より高い集積度と一層の省エネルギー性能を備える点である。Mehta氏は、CPOの発展は従来型光トランシーバーモジュールを代替するものではなく、両者はそれぞれ適した市場において強みを発揮するものであると強調した。





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