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1108 中国初の電磁カタパルト空母「福建艦」三亜配備の意義と戦略的示唆

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  • 2025年11月8日
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中国初の電磁カタパルト型航空母艦「福建艦」が11月5日、海南省三亜の榆林軍港で正式に就役した。中共海軍報道官・冷国偉は、福建艦は現役艦艇中で最大の排水量を持ち、戦備・港湾条件・任務特性を総合的に考慮し、常駐地を三亜軍港とする方針を明らかにした。


福建艦は、中国初の電磁カタパルトを採用した新世代空母であり、艦載機には殲35、殲15T、殲15D、早期警戒機空警600、直20系列ヘリコプターなどが計画されている。冷報道官は、艦載機の満編成搭載について「そう遠くはない」と述べ、試験と実戦能力の向上を並行して進めるとした。


入列後も、各種装備やシステムの安定性検証、艦機適合訓練、艦隊編成訓練などを継続実施し、実戦運用能力を段階的に強化するという。榆林港は中国が自ら設計・建設した大型軍港で、空母の停泊・訓練に対応できる設備を備える。


中国海軍の空母母港は現在3か所あり、大連(遼寧艦)、青島(遼寧艦)、三亜(山東艦・福建艦)である。国営メディア「玉淵譚天」は、福建艦の任務範囲として台湾海峡、南シナ海、西太平洋を挙げ、将来的には東太平洋やインド洋、大西洋などにも進出すると報じた。


【推定・分析】


福建艦の三亜常駐は、南シナ海および台湾海峡情勢を強く意識した配置であると考えられる。南部戦区の戦略重心である三亜港は、東南アジア・西太平洋への即応展開に最適な地理的位置を有し、中国が「遠海防衛」「深海作戦」への移行を本格化させる象徴といえる。


電磁カタパルトの採用により、艦載機の発進効率や作戦テンポが飛躍的に向上することが期待され、既存の「遼寧」「山東」とは異なる第3世代型空母の時代が到来した。これは中国海軍の近代化が「沿岸防衛」から「遠洋展開」へと質的転換を遂げつつあることを示す。


「玉淵譚天」が言及した「台湾海峡・南海・西太平洋必行」や「インド洋航行の権利強調」は、米国や同盟国のインド太平洋戦略を牽制する政治的メッセージでもある。福建艦の就役は単なる軍事技術の進歩にとどまらず、中国が「海洋大国」として国際秩序の中で存在感を高めようとする国家戦略の一環と位置づけられる。


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