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1119 仁寶Compalの液冷AIサーバー戦略とSC25での技術発表概要

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  • 11月21日
  • 読了時間: 2分

仁寶(Compal、2324)は Supercomputing 2025(SC25) において、最新のAIおよびHPC向けサーバー群を公開した。主力製品は SG720-2A / OG720-2A、および SG223-2A-I で、液冷統合技術と高密度設計を強化した点が特徴である。


SG720-2A / OG720-2A は 7U AIサーバーで、AMD EPYC™ ×2、AMD Instinct™ MI325X 最大8基を搭載し、次世代 MI355X にも前方互換性を持つ。さらに AMD Pensando™ Pollara 400 AI NICs 8枚の統合が可能。850 mm深の筐体、EIA 19インチ/Open Rack v3(21インチ)対応、モジュール化設計、ツールレス保守、ホットスワップPCIeにより、可用性・運用性を高めている。


冷却方式には ZutaCore® HyperCool®(二相冷却) を採用し、極端な高密度負荷下でも安定性を維持。実測では PUE 1.05 とされ、単相液冷比で **pPUE <5%**と高い効率性を示した。単相/二相いずれも対応し、データセンターの構成自由度を確保する。


SG223-2A-I は **2U デュアルEPYC™**構成の浸漬冷却向けモデルで、PCIe GPU 8枚に対応。高導熱の絶縁冷媒を用い、負荷時のGPU安定性と省エネ性を両立する。オープンGPU構造で、多様なAI/HPCワークロードに対応した。


仁寶は AMD と共同で、次世代 “Venice” コード名の EPYC™ プロセッサ搭載サーバーを開発中で、翌年の投入を予定。AMIとの協業により、遠隔監視、自動化保守、動的リソース管理を実現する高度なサーバー管理機能も導入している。SC25会期中には #4232 ブースで講演「Revolutionizing AI at Scale」を実施。


【AI推定】


仁寶の注力領域は「液冷+高密度AIサーバー」への最適化であり、グローバルAIデータセンターの電力上限・冷却限界に対する明確な解答を提示していると考えられる。特に二相液冷の標準化は、MI300/MI355X級GPUの高熱密度に対し現実的なソリューションであり、台湾ODMとして差別化要素になり得る。


また AMDとの協業強化は、NVIDIA中心のAIサーバー市場でポートフォリオを拡大し、北米クラウド/HPC案件への浸透を狙う動きと推察される。さらにAMIとの管理ソフト統合は、将来の「AIファブリック最適化」「運用自動化」領域で継続的な収益機会を創出する可能性が高い。


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