1121 鴻海FoxconnがHHTD25で示したAI Factory戦略と技術集約企業への転換
- Guest
- 11月21日
- 読了時間: 2分
鴻海(Foxconn)は HHTD25(鴻海科技日2025) を開催し、AI基盤設備、電動車(EV)、スマート製造、スーパーコンピューティングなど、合計200点以上の最新技術を披露した。今年は過去最大規模で、NVIDIA、OpenAI、Alphabet、IBM、ABB Robotics、Uber、FUSO など世界的企業が参加し、鴻海が「AIを中心とした技術企業」へ本格的に転換している姿勢を強く示した。
董事長 劉揚偉 は、鴻海は「労働集約型から技術集約型」へ転換しており、部品・モジュールからラック全体まで一貫して設計・製造できる垂直統合力こそ最大の強みだと説明した。
OpenAI の Sam Altman は、世界のAIインフラ需要は供給を大きく上回っていると述べ、鴻海と共同で次世代データセンターのハードウェア開発を進め、米国のAI供給網強化に協力すると語った。
鴻海はこれに合わせ、14億ドルを投じた超級運算中心 の建設を発表。Blackwell Ultra GPU 10,000基 を搭載し、2026年には NVIDIA GB300 NVL72 に全面アップグレードする計画である。
展示の中心となった「AI Factory」では、GB300 NVL72 AIサーバーラック を軸に、液冷冷却、高速ケーブル、電源、整櫃統合など、鴻海の高度な技術力を披露した。GB300は CPU 36基/GPU 72基 をNVLinkで接続し、「1つの巨大GPU」として動作する設計。冷板、水冷頭、高速ケーブル、分岐管、MGX機構など多くの重要部品は鴻海自社製で、冷板の熱性能は従来比で 30%以上向上 している。
さらにNVIDIAと協力して 800V DC(K-1專案) の高効率データセンター構築を推進。台湾初のNVIDIA Cloud Providerである Visionbay も参加し、AI基盤設備の“ワンストップ提供モデル”を紹介した。
EV展示も大きな柱で、MODEL B/A/T/U/D など多彩なモデルを披露。次世代EVプラットフォームにはAI機能が組み込まれ、用途に応じて柔軟に構成できるよう設計されている。
【AI推定】
鴻海は、AIインフラとEVという二つの成長市場に対応するため、「垂直統合」「技術密度の向上」「国際協業」を軸に事業を再構築していると考えられる。特にGB300 NVL72の自社部品比率や800V DCアーキテクチャは、今後のAIデータセンターの標準化を視野に入れた布石と見られる。また、OpenAIやAlphabetとの関係強化は、台湾のAIサプライチェーンの存在感を高め、北米市場での影響力拡大にもつながる可能性が高い。EV事業もAIとの統合により“計算力を備えた車両(Computing-First Mobility)”へ進化し、鴻海の次の成長エンジンになると推測される。

