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1123 台湾「AI新十大建設」―矽光子シリコンフォトニクス・量子・AIロボが中核の国家戦略

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  • 11月23日
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台湾国家発展委員会(國發會)は、次世代AI競争力の強化を目的に「AI新十大建設推動方案」を発表し、各部会を横断した推進体制を構築している。本計画は、矽光子(Silicon Photonics)・量子科技(Quantum Technology)・AI機器人(AI Robotics) の三大技術を中核に据える点が特徴で、いずれもAI長期発展に不可欠な基盤技術と位置付けられる。


國發會主委・葉俊顯氏は、台湾は半導体・ICT産業の集積という強みを有しており、前述の前瞻技術が産業競争力を底上げし、新たな成長動能と雇用創出につながると強調している。


矽光子については、AI/HPCに不可欠な高速伝送・低消費電力化を実現する技術であり、台湾半導体産業の国際的優位性をさらに強化すると見込む。量子技術は、従来計算の限界を突破し、大規模データ処理・複雑計算・モデリングで潜在力を持ち、台湾が将来の量子競争で一角を占める可能性を示す。


AIロボット技術は、台湾の強固なICT供給網を背景に、生活サービスや製造現場への実装を推進。高齢化・少子化に伴う労働力不足の緩和、産業のスマート化が期待される。


推進戦略は5項目で構成される。①先進技術の自主開発とチップ間インターコネクトの強化、②補助金による先端チップ・矽光子応用チップ開発支援、③国際規格準拠の量測実験室・試量産ライン整備、④企業の応用開拓支援と差異化技術構築、⑤矽光子産業プラットフォームや産業連盟によるサプライチェーン連携と技術共有。


國發會は、これらの整備により台湾が世界初の矽光子製品出荷国、かつ主要供給集積地となることを展望している。


【AI推定】


本計画は、米中のAI・半導体競争が激化する中、台湾が「半導体依存からAI・量子・光学領域への多軸化」を図る国家的布石と考えられる。特に矽光子は、NVIDIA、Broadcom、Intelなどが次世代AIサーバーの光電融合の主戦場とする分野であり、台湾がここに早期投資することは、サプライチェーン内での“不可替代性(Irreplaceability)”向上を狙った戦略的判断と思われる。


また量子技術の国家投入は、TSMCや研究機関との連動を前提に、「半導体後の計算基盤」へのポジション確保を意識したものと見られる。AIロボット分野は、国内労働市場の構造的課題への対処と、産業スマート化を一挙に推進する狙いがあると推測される。


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