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1129 齊柏林衛星の打ち上げ成功と台湾宇宙産業の前進

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  • 11月29日
  • 読了時間: 2分

台湾時間 29 日午前 2 時 44 分、福衛八號シリーズ初号機となる「齊柏林衛星」が、SpaceX Falcon 9(Transporter-15)により打ち上げられた。5 時 04 分に予定軌道へ投入され、5 時 34 分には挪威スバールバル地面局との初回通信用パスを確保し、11 分 51 秒の通信で衛星の状態(太陽電池パネル展開、推進系圧力、バッテリー温度、姿勢制御の起動)が正常であることが確認された。


その後、10 時 42 分に衛星は初めて台湾上空を通過し、新竹・桃園・台南の3地面局とも正常に通聯。今回のミッションでは、同じTransporter-15便に搭載された5基の台湾製CubeSatも順調に軌道投入されている。


TASAは、齊柏林衛星が台湾3局+スバールバル+南極トロル基地の計5局体制で運用されることを説明。今後は地上局からの指令送信を重ね、衛星の姿勢・電力・通信系を段階的に安定化させていく。


国科会は、「今回の成功は台湾の宇宙産業が実績と技術力を着実に蓄積している証」と述べ、今後は衛星画像の応用や付加価値サービスの創出を通じて、台湾の宇宙ビジネスの新たな市場が広がると期待を示した。


Transporter-15 で軌道投入された台湾CubeSatには、


  • 鐘雀1號(創未來科技):Ka帯高速通信の実証

  • 黒鳶1號(鐳洋科技):山間・沿岸向け二周波IoT通信

  • 信天翁1號(芳興科技):海洋水色カメラによる資源調査、遠洋漁業支援

  • Lilium-2 / Lilium-3(台湾4大学共同開発):学術実験ミッション

など、用途の異なる複数ミッションが含まれている。



AI推定|台湾宇宙産業の加速と国際市場進出の可能性


今回のミッション成功により、台湾の産業界・大学・研究機関は「設計・製造・打上げ・運用」までの実績をさらに積み重ね、国際宇宙市場での信頼性が向上するとみられる。Transporter 便への継続参加によって飛行実績(flight heritage)が蓄積され、地球観測データサービス、海洋監視、災害対応、IoT衛星通信など、台湾企業が強みを持つ分野で海外展開の機会が増える可能性が高い。また、小型衛星の商用需要拡大により、複数の台湾企業がグローバル供給網への参入を加速させると予測される。


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