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1203 OnsemiとInnoscienceがGaN普及加速へ向けて協業

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  • 12月6日
  • 読了時間: 2分

OnsemiInnoscienceは、40〜200V帯のGaNパワーデバイスの普及を加速するため、協業に向けたMoU(覚書)を締結した。両社は、それぞれが持つ強み――Onsemiのシステム設計・パッケージング技術、InnoscienceのGaNプロセス技術と大規模量産能力――を組み合わせることで、産業・自動車・通信インフラ・民生機器・AIデータセンター向けに高効率でコストを抑えたGaN製品を広く提供することを目指す。


これまで低〜中耐圧GaNは、製品の種類が少ないことや量産キャパシティ不足などが普及の妨げになっていた。今回の協業は、この障壁を取り除き、以下の幅広い市場にGaN製品を本格的に展開することを狙う。


産業:ロボット向けモータードライブ、太陽光マイクロインバータ、最適化装置

自動車:DC-DCコンバータ、同期整流

通信インフラ:DC-DC、POLコンバータ

民生・量産市場:AC-DC電源、充電器、モータードライブ、電動工具、軽量モビリティ

AIデータセンター:中間バスコンバータ、DC-DC、BBU


Onsemiは、この協業により

・市場投入までの期間短縮

・量産スケールの確保

・システムコスト低減

が可能になると説明している。


OnsemiのAntoine Jalabert氏は、GaNは高効率・小型化・低損失が期待される一方、これまで低〜中耐圧帯では「コストと供給制約」で普及が進まなかったと指摘。Innoscienceとの連携により、「世界最大級のGaN生産能力」へアクセスし、早期にグローバル展開できると強調した。


InnoscienceのYi Sun氏も、GaNが電子機器の効率向上・省電力・CO₂削減に不可欠であると述べ、Onsemiとの協業が世界的なGaN採用の加速につながるとコメントしている。


Onsemiは2026年前半にサンプル提供開始を予定している。


【推定】GaN本格普及を狙う両社の戦略的意図


本協業は、低〜中耐圧GaNを「本格的な量産フェーズ」に移行させる重要な契機となると考えられる。Innoscienceは世界最大級のGaN量産拠点を有し、Onsemiは産業・車載・データセンターといった大規模顧客へのアクセスを持つため、両社の補完関係は極めて強い。特に、AIデータセンター向け電源の高効率化ニーズは急速に拡大しており、GaN採用が加速する条件は整っている。

両社は、SiやSiCとの差別化を明確にしつつ、GaN量産の事実上の標準プラットフォームの確立を目指していると推測される。


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