1206 鴻海(Foxconn)の最新業績と見通し
- Guest
- 7 日前
- 読了時間: 2分
鴻海Foxconn(2317)は2025年11月に8,443億元の売上を計上し、前年同月比で25.5%増と大きく伸びた。月間売上としては過去2番目の規模で、11月としては過去最高となる。
また、2025年1〜11月の累計売上は7.23兆元(年増16.6%)で、同社として初めて7兆元を突破。すでに2024年の通期実績(6.86兆元)を上回っており、2025年は確実に過去最高の売上になる見通しである。
第4四半期については、AIサーバー機櫃の出荷増とICT製品の繁忙期入りが追い風となり、市場が期待する水準の業績になるとみられる。ただし、世界情勢や為替変動の影響には引き続き注意が必要とされる。
11月の分類別売上では、主要顧客からの部品調達が増えたことで「元件及其他產品類別」が伸びた。一方で「電腦終端產品類別」「雲端網路產品類別」は、AIサーバー機櫃の増加があったものの、取引形態やほかの製品の動きもあり、全体としては前月比ほぼ横ばいとなった。「消費智能產品類別」は、前月の繁忙期の反動でやや減少している。
前年同月との比較では、「雲端網路」「元件及其他」の伸びが際立ち、背景にはAIサーバー関連の強い需要がある。「消費智能」は為替の影響で横ばい、「電腦終端」はやや弱かった。
経営面では、劉揚偉董事長が、2026年に向けてGPUサーバー、ASICサーバーともに顧客ニーズに応えられる体制を整えていると説明。主要プラットフォームでは40%以上の市場シェアを持つとしている。市場では、2026年にASICサーバーが大きく伸びると見られており、出荷構成もGPU:ASIC=8:2に近づくとの見方が強い。
さらに、鴻海は現在、毎週1,000台超のAIサーバー機櫃を生産しているが、これを2026年末には週2,000台以上へ倍増する計画を示した。また、米国市場の強化に向け、サーバー組立だけでなく、ケーブル、ネットワーク機器、冷却や電源といった主要部品も米国内で生産する方針を掲げている。主権AIの高まりに対応し、米国市場での存在感を高めることが、2026年に向けた同社の重要なテーマとなっている。
【AI推定】
AIサーバー機櫃の生産能力を倍増する計画は、2026年以降もAIサーバー需要が強く続くとの確信を示している。また、米国内で主要部品まで生産する体制は、政府・大企業が求める「主権AI」や地産地消の要件に適合しており、鴻海にとってAIサーバー事業をさらに強化する重要な一手となる。
加えて、ASICサーバーの成長は、NVIDIA依存から脱却し、事業の安定性を高める方向に働くと考えられる。


