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1216 華新麗華、冷精棒(コールドロッド)新ブランド「奇沃 Steeval™」を発表 ― AIサーバー・エネルギー市場へ本格参入

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  • 5 日前
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華新麗華Walsin(1605)は16日、AIサーバーおよびエネルギー市場向けに、冷精棒の新ブランド「奇沃 Steeval™」を正式に発表した。董事長の焦佑倫は、世界的に精密製造市場が急速に拡大する中、従来の材料製造業の枠を超え、顧客と共に研究・開発を行い、技術サービスを含めたソリューションを提供する新たな事業段階へ移行すると述べた。また、産業の上流から下流までを結ぶ新たなエコシステムを構築し、国際市場での競争力強化を目指す方針を示した。


台湾の鋼鉄業は、これまで基礎材料の供給を通じて加工業を支え、台湾を「螺絲螺帽(ネジとナット)王国」へと成長させてきた。一方で、産業構造の高度化に伴い、精密製造分野では品質要求が一層高まっている。これを受け、華新麗華は単なる不銹鋼(ステンレス鋼)材料の供給に留まらず、全方位型のソリューション提供者へと役割を進化させるとしている。


同社は2022年に高付加価値化およびグローバル化を軸とする転型戦略を開始し、欧州市場への展開を通じて、自動車、航太、エネルギー分野への参入を進めてきた。全球不銹鋼棒材市占率第一の実績に加え、欧州で培った技術力と顧客ネットワーク、世界各地のサービス拠点、国際水準の治金設備およびスマート製造体制を強みとし、金属工業研究発展中心などの学研機関とも連携しながら、材料改質を起点とした応用分野の拡大を図っている。


新ブランド「奇沃 Steeval™」は、冷精棒を精密製造業における中核材料と位置づけ、機械加工、自動化産業をはじめ、AIサーバー、車載、ロボット、消費性電子、エネルギー分野など、高品質・高精度を求められる用途に対応する。副董事長の王錫欽は、品種多元・品級高端・品質精良の「三品並進」戦略により、先端産業向け不銹鋼材料の第一選択となることを目指すと述べた。


「奇沃」は、極限まで磨き上げた工藝と、材料が産業を育む価値を象徴する名称である。Steeval™は Steel × Value を組み合わせた造語で、「高付加価値不銹鋼ブランド」という明確なポジショニングを示している。ブランドスローガンは「Your Precision, Our Mission / 奇於匠心,沃以使命」。高車削性、高潔淨度、高耐磨・耐蝕性、高耐熱性、軟磁性といった特殊機能特性を備え、併せて IMS 易車削シリーズを展開することで、刀具寿命の延長、表面品質の向上、断屑性の改善を実現し、加工現場の生産性向上に貢献するとしている。


AI推定


「奇沃 Steeval™」は、AIサーバーや半導体装置向けを中心とした高精度加工需要を確実に取り込むための戦略的ブランドと考えられる。材料供給にとどまらず、加工性や品質安定性、技術支援を含めた付加価値型モデルを確立することで、価格競争から脱却し、欧州で確立した高付加価値ビジネスを台湾およびアジア市場へ横展開する狙いがあると推察される。




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