台湾の地方首長の連続多選禁止規定と2026年の六都の市長改選@九合一選挙
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今年11月に、米国で中間選挙が行われる一方、台湾でも11月28日に「九合一選挙」と呼ばれる統一地方選挙が行われる。台湾では直轄市長、県・市長、地方議員など多くの地方公職が一斉に選ばれる。日本でいえば「知事、市長、県議、市議、町村長、町村議員等の選挙を全国的にほぼ一斉に行う」感じだ。特に注目されるのが、台北、新北、桃園、台中、台南、高雄の「六都」及びその他16県市の地方首長である。
台湾の地方首長の連続多選を禁止する法律と台湾の状況
台湾には、地方首長の連続多選を禁止する明確な法律がある。「地方制度法」では直轄市長、県・市長は、任期4年で「連選得連任一屆」、すなわち再選できるのは1回、原則として連続2期8年までと規定している(*1)。
このため2026年選挙では、新北市の侯友宜(国民党)、台中市の盧秀燕(国民党)、台南市の黃偉哲(民進党)、高雄市の陳其邁(民進党)など、現在の有力首長が次の任期を目指すことができず、6大都市トップの内4人が新しい人物に交代する。制度により強制的に政治の新陳代謝が起きる。
注:総統、副総統も任期4年で、連続再選は1回まで、最大連続8年、「總統、副總統之任期為四年,連選得連任一次」と定めている(*2)。
地方首長の連続多選禁止規定がない日本の状況
翻って、日本には都道府県知事の多選を一律に禁止する法律はない。有権者から支持され続ければ、3期、4期、さらには5期以上務めることもできる。現在の47道府県知事を見ると、2期目以下が27人で、3期目以上が20人、内5人(岩手県達増知事(5期)、宮城県村井知事(6期)、山形県吉村知事(5期)、栃木県福田知事(6期)、鳥取県平井知事(5期))は5期20年以上首長を勤める。もし台湾ならば、3期目以上の20人、43%はいない。
台湾の制度の留意点。。一律多選禁止ではなく、行政権を握る首長の権力集中リスクへの対応
台湾では「首長には2期制限があるが、立法委員や地方議員には多選制限はない」。制度思想としては、選挙で選ばれる人を一律に多選禁止にするのではなく「”行政権を直接握る”首長ほど権力集中リスクが高いため制限する」という設計になっている。現職の行政資源を利用した長期支配、権力集中、独裁化リスクを防ぐ為と考えれる。特定人物への権力集中を防ぎ、定期的な世代交代や政権交代を促す安全装置という意味がある。
補足
なお、台湾では連続任期制限がある地方首長を離れた後、任期制限のない立法委員になる事も多く、また、その逆もある。行政と立法の両方を経験し、力をつけていく人もいる。付記しておきたい。また、連続多選禁止規定がない地方議員には地方ボスもいる。連続多選禁止がある地方首長より継続性を持つ為と考えられる。

